「葵衣様、こちらよろしかったら……」




絢斗が持ってきたのは、あたしが大好きなレアチーズケーキ。


ブルーベリーのソースがかかってるのが、まさにあたし好み。




「お祝いに何か差し上げようかと思ったんですが、手元に残るものは困らせてしまうような気がいたしましたので」




「美味しそう」




「わたくしの手作りなんで、味の保証はしかねますが……」




照れくさそうに、あたしの前にお皿を置いた。




「えっ、絢斗が?……ありがとう」




料理はよく作ってくれたけど、デザートは初めてだった。




あたしの大好きなものを知って


あたしの為に作ってくれた。



それだけのことが、あたしにとってはアクセサリーを貰うより嬉しくて嬉しくて


胸に熱いものが込み上げたの……