「うん」


懐かしい。


5歳くらいだった。


このとき、私とりょー君の家は隣同士だった。


「美和、なに作りたい?」


「んー」


「チョコ味のクッキーとかはどうかしら?」


「クッキー!?」


「動物さんの形した」


「それがいい!」


「じゃあ、エプロンしておいで」


「うん」


このときが、初めてのお菓子作りだったこもしれない。


材料量って、混ぜて、こねて。


まるで、魔法みたいって思った。