「…マ…」
ん…
「ママ…」
子供の声で恭子は目を覚ました。
「ママ、大丈夫?」
目の前には、勇貴が萌と並び、恭子の顔を覗き込んでいる。
「大丈夫だよ…」
勇貴の頭を撫でながら、恭子は時計を見た。
時間はお昼を過ぎているのに気づいた。
「勇貴、お昼ご飯食べた?」
「うん!ばあちゃんが作ってくれたよ」
お義母さんに感謝し、恭子は部屋を見回した。
「…勇貴、パパは?」
「パパなら、車に乗ってどこか行ったよ」
どこに行ったんだろ…
どちらかというと、優斗は内気な性格だ。
友達だって、そんなに多くはいない。
大きなデパートだって、1人では入れないし…


ねぇ…ユウ…
どこ行ったの…?


体が弱っているせいか、なんだか心細い。
恭子は子供達を寝かせながら、流れそうになる涙を必死にこらえた。