「なぁ~。どっか行きたいな~」
洗濯物を干している恭子に、後ろから優斗が子供達とわざとらしく話している。
今日は日曜日で、恭子は午後から仕事だ。
午前中に家事を終わらせようと思い、恭子はバタバタしている。
12月に入ったというのに、温暖化のせいで今年は全然雪が降らない。


子供達と暇をアピールする優斗。
ほんと子供みたいにじっとしていられないんだから…。
「じゃ、どっか行ってこれば?」
本当は一緒に居たいが、素直になれない。
「ほんと?」
恭子の言葉に優斗の顔がパァと明るくなる。
「子供達を連れてってよね!」
家事がはかどらないし、条件を出した。
「…うん!子供達連れて行く!」
「なら、いいよ」
最後の一枚残っていた洗濯物を干し、恭子は振り返った。
「よし!パパと出かけるぞ~」
遊びに連れてってくれると知り、子供達もキャッキャッ騒ぐ。


優斗と子供達が居なくなり、恭子は静かになった部屋で一服する。
優斗の行動が少し変だった。
先ほどのやり取りは普通、子供がいる家族では当たり前のようにみえるが。
優斗は1人で子供達を面倒見るのが大変だと言って、面倒見てくれない。
考えすぎだよね?