「何?
呼んどいて無視かよ!!
何処までもウぜーのぉ―」
鞄を持って、あたしの前を通り過ぎようとした二重人格女をあたしは、引き止めた
勿論、手首を掴んで
「はぁ?
なにすんの?
痛いし、話してよぉ――」
混乱している、莉稚に聞く
「あんたに、何があった訳?
それに、今春の終盤、もうすぐ夏よ。
なのに何で、長袖の制服?
腕に何か隠したいものでも?」
ここは、ひとまずcoolなあたしで聞く
すると、莉稚は俯いて、唇を強く噛んでいた
絶対に何かあったんだ
でも、言いたそうになかったので
「言いたくなったら言って来な
あたしの携帯、知ってるよね?」
コクりと頷くだけの莉稚
こんなときは、二重人格女なんて呼べない
「手、ごめんね
じゃぁ、あたし、帰るから
莉稚も気をつけて」
ここは、優しく、でもちょっと、coolに!!
あたし、いい感じじゃん?

