あたしの声で、皆が一斉にあたしに注目した
「あたし、転校する」
一気に「えー」だとか「どうして」という声が聞こえた
「あんた、頭良いから、怜たちと居るのがイヤになったんでしょ?
怜たちのこと、始めからバカにしてたくせに」
怜は煙草を吸いながら、あたしに言った
怜からの冷たい一言が耳に残った
そして、教室の空気もドッと悪くなった
怜も、あたしのことを`柚優'とは呼んでくれなかった
さっき、`あんた'って言われたとき、凄くショックだった
この様子を、莉稚は見ている
あたしの事情を全て知っときながら、あえて無視
だけど、そんな莉稚の優しい心遣いも伝わって来た

