「そうなんだ」 アガサ・クリスティが好きだというのは本当だ。食いついてくるかどうかは賭けだったが、どうやらその賭けに私は勝ったようだ。 ふたりで話す。 彼の声を聞いているのが好きだった。 柔らかい笑顔を見るのが楽しかった。 本当に武田くんはかっこよくて、私の胸は躍った。 武田くんこそ、私の運命の人なのだと、そう思った。