「木下さん」




 名前を呼ばれて、正直嬉しかった。
 何故なら彼に名前を呼ばれるのは、記憶の中ではまだ3回目だ。

 普段から、私は男子生徒とはあまり話すタイプではない。




「こんなところで、なにしてるの?」