「え。でも……」 「危ないよ。変な人に声をかけられたりしたら嫌でしょ?どうせ通り道だし…」 話を聞けば、どうやら方向は同じらしい。 武田くんからしてみれば多少のタイムロスにはなるが、彼がそう言っているのに、私に断る理由などない。 私たちは、一緒に帰った。 途中「彼女いるの?」と聞けば「いないよ」と答えた。 その言葉に、私はかなり舞い上がっていた。 結局家の前まで送ってもらった。 本当に武田くんは優しい。