真っ暗な底に到着すると、足には柔らかいとも硬いとも、普通とも言えない、感じたことの無い感覚がありました。
息づかいでお互いを認識すると、2人はとにかく暗闇から逃げ出そうと、遠くに見えるいくつかの光に向かって歩き始めました。
向かった先にあったのは自ら光を放つ3つの扉でした。
「開けてみるしかないよな…。」
トシが真ん中の扉の前に行き、ドアノブに手をかけました。ゴクリと2人の唾を飲む音がします。
その時です。
「そこは開かないよ、鍵がかかってるんだ。」
現れたのは一匹の猫でした。
「君たちを待ってたよ。」