魔王さま100分の2


重ねて、シルキス。

「リズがいれば、リズに頼む仕事だ」

「リズ姉がいなくても、俺ひとりでやってみせるっ」

キーヤの口から言わせて退路を断つ。

このキーヤが、シルキスのところにやってきたのはつい先日。

詳しい事情は知らないが、
キーヤは、リズや妹のネーイと何かあって職場を離れたらしい。

キーヤの雰囲気から察するに、
その何かというのはシルキスのせいらしいが、

本人が何も語らないので、シルキスには見当もつかない。

知るとまたややこしい事になりそうなので、知らないままにしておく。

「それで、これが封の中身だ」

魔王さまは、そんな空気を読まずに封書とは別に便箋をキーヤに見せる。

それなりに高級そうな紙の上に、
魔王さまの丸ちび字が並ぶ。