魔王さま100分の2


一同の笑い。
シルキスは、言う。

「これから7日から10日、時間とともに状況は慌しくなります。僕の経験上、こういうときに僕が楽できたことは一度もありません。というか毎度、死にかけています」

どっと、さらに笑ったのは、多少なりともシルキスに関わりのあるもの達。

その中で、笑わなかったのはキーヤとヘナ。

笑い声に起きかけた魔王さまは、ヘナに擦りより、目を開ける前に眠りに戻る。

「心から、穏便に事が過ぎてくれることを願います」

祈るシルキス。
ヘナも隣で祈る。

キーヤは、面白くないと毒を吐いた。

「ふんっ、おまえなんか、いつ死んでもいい」

キーヤは地図の中、囚われた魔王さまの島を指差した。

「肝心なのは、ここの魔王さまの安全だ」

シルキスは、力強く一言で同意する。

「その通り」

シルキスは、指輪をつけた手をあげて見せる。

「全て、その為にここまで出てきた」

腰の魔王殺しが地面にこすられて、柄を鳴らした。