ゆえに教会は、 神さまを語って魔族と戦ったりしないし、 神さまを代弁して平和を説いたりしない。 事が起これば、 教会は人間が集まって出来ている組織なので、人間の味方ですと公言して動く。 逆に言えば、 人間に害を与えないのならそれでよし。 役に立っているのなら、 人間と同じように感謝する。 だからエミリオは、 神父らしい笑みを浮かべ、偽りなく心からルッティに言った。 「それはそれ、これはこれ、さ」