それで夕刻。
なんとか陽が沈む前。
塔の上には、新しいハシゴがそびえ立っていた。
前作比、高さ3割増し。
強度、下からの支えを四方からつけたので、たぶん数倍?
昇りやすさ、さっそく黒の魔王さまが勝手に一人であがってしまい、すぐにアイオネに追われて捕まっていたので、同等以上。
建て替え途中、
一度倒れたハシゴに潰されそうになった魔王さまを助けたシルキスが死にかけたり、
降ろした古いハシゴで遊びだして落ちそうになった魔王さまがを助けたシルキスが死にかけたり、
もう一度、とにかく魔王さまがらみでシルキスが死にかけたりしたが、
「なんとか、今日中に出来ました」
シルキスはハシゴの頂上、夕日を見ていい笑顔をする。
「よくやった、そして良く生きてたな」
同じハシゴの頂上でシルキスによりそっている金の魔王さま。
「生きたねー」
やはり同じ高さで並んでいる黒の魔王さまは、
「その件に関しては、日没後たっぷり説教しますので」
自分を捕まえるアイオネの腕を逆にがっちり組み返して、夕日色の海を見ていた。


