魔王さま100分の2


「ところで、話は変わるが」

と、金の魔王さま。

いつの間にかシルキスに組み付いて、抱っこさせていた。

「このハシゴ、おまえ達だけで上げられるのか?」

「頑張れば、たぶん……」

含んで答えるシルキスに、

「余裕です」

自信を持って言い切るアイオネ。

「アイオネはこれまで一人で何でもやってくれたからね。シルキスと二人になれば、もっと何でもできるよ。って、あああ、今度は埋まる、埋まるううっ」

黒の魔王さまが、生存の危機に陥りながら太鼓判を押した。

シルキスは、金の魔王さまを降ろそうとしながら言う。

「まあ、上がらなかったら、塔の隣に一から見張り台を作るだけですけどね」

「シルキス、お前はたまに大雑把で大胆だな」

金の魔王さまは、降ろされないぞと抵抗しつつ、偉いぞとシルキスを褒めた。