魔王さま100分の2


「なんだとっ、不意打ちとは汚いやつ」
「だって、私、魔王だもん」

「私だって魔王だっ」

金の魔王さまは、挑戦を受けて山を反対側から削る。

黒の魔王さまに負けない豪快な削り。

枝はさらに頭を下げ、それでも倒れずに残った。

「どうだっ」
「それなら」

「うおっ、ならばっ」
「ああっ、このこのっ」

「むむむむっ」
「わわわわっ」

ほどなく、魔王さま達は子供の遊びに夢中になる。

かつて全人類を滅ぼしかけた恐怖の王様、100分の二手に分かれて小山を取り合う図。