魔王さま100分の2


「シルキス、つまらんぞー」
「アイオネ、ひまー」

シルキスが、手をとめずに答える。

「それでは、ハシゴ作りを中断しますか?登って遊べるのが遅くなりますが?」

「それは許さん」
「だめー」

「それでは、今しばらくお待ちを」

「むー」
「ぶーぶー」

魔王さま達は、素直にわがまま。
シルキスは、少しだけ考えた。

「魔王さま、あちらの道具箱に片手で扱う小さなスコップがありますので、ひとつずつ持ってきてください」

「おう」
「いいよー」

道具箱に駆け足していく魔王さま達。

背にかなり高低のあるふたりだが、走る速さはほとんど同じ。

「持ってきたぞ」
「きたよ」

「次に、ここから大股で10歩ほど離れてください」

言われたまま、魔王さま達は離れる。

今度は身長の差でかなり差が出たが、金の魔王さまのほうがずるをして、大きくぴょんぴょん跳んで位置をあわせた。