「シルキス、つまらんぞー」
「アイオネ、ひまー」
シルキスが、手をとめずに答える。
「それでは、ハシゴ作りを中断しますか?登って遊べるのが遅くなりますが?」
「それは許さん」
「だめー」
「それでは、今しばらくお待ちを」
「むー」
「ぶーぶー」
魔王さま達は、素直にわがまま。
シルキスは、少しだけ考えた。
「魔王さま、あちらの道具箱に片手で扱う小さなスコップがありますので、ひとつずつ持ってきてください」
「おう」
「いいよー」
道具箱に駆け足していく魔王さま達。
背にかなり高低のあるふたりだが、走る速さはほとんど同じ。
「持ってきたぞ」
「きたよ」
「次に、ここから大股で10歩ほど離れてください」
言われたまま、魔王さま達は離れる。
今度は身長の差でかなり差が出たが、金の魔王さまのほうがずるをして、大きくぴょんぴょん跳んで位置をあわせた。


