まあ、本人?たちは魔王さまになら何と呼ばれても喜ぶだろう。
「というわけだ、安心しろ」
金の魔王さまが太鼓判を押した。
「不安です」
アイオネは、当然、安心できない。
「朝、目を覚ましたら、ここが戦場になってることがないのを祈ります」
「うむ、明日来るのは困るな。まだ壁の向こうの砂浜で遊んでいないぞ」
金の魔王さまは、違う方向でアイオネに同意してシルキスを見る。
シルキスは、頭の中で幽霊船の足と自分が寝ていた時間を、足し算引き算して答えた。
「事態の急変がなければ、あと2~3日は静かですよ」
「その後は、うるさくなるのね」
「なるべく遠くの沖で決着はつける予定ではあるけどね、準備に時間をかけないと戦力が薄くなるからなあ」
今ごろ、イアリミアと魔族の合同軍が対幽霊船の人員と装備をかき集めて、忙しく編成しているころだ。


