言われて、黒の魔王さまは、自分の皿の小魚をはむはむ。

金の魔王さまだったら、頭からバリバリするサイズだ。

「魚も美味しいよ」
「骨に気をつけてくださいね」

「うん。美味しいし楽しいね。こんなに楽しいなら毎日こうしてもいいな」

「よし、私達がいる間は毎日こうしよう。いいな、シルキス」

魚をかじる魔王さまの望みに答えて、口まわりを肉汁で汚す魔王さまが応える。

シルキスは、その口を拭きながら言う。

「朝は魔王さまが起きられたら、昼は暑過ぎでなかったら、夜は天気がよければ」

「つまり、私が望めばいつでもということだな」

「そうなりますね」

はい、綺麗になりましたと、魔王さまの口から布巾をはずすシルキス。

黒の魔王さまは、よしよしと食器を動かす。
皿はもうほとんど空。

アイオネが言う。

「食事のことはもうそれでいいけど、外のことはいいの?そっちの仲間が戦うのでしょう?」