魔王さま100分の2


「そのときは、二人ともここにはいませんよ」

「いなくても知らせるし、知らせなくても、あっちから知って迎えにくるもん」

「そうかもしれませんね」

アイオネは、自分の魔王さまの考えに少し賛同する。

あの二人なら、そう動くかもしれない。

「それでね」

上げられた鉄棒はここで下りた。
土に溝をつくって、アイオネに向く。

「その後すぐに、アイオネを取り返しに行くよ」

「王国にですか?」
「その時、アイオネが王国にいたならね」

「どうやって?」
「すごい大軍を使って」

「いきなり武力侵攻ですか」

「私のアイオネを盗ったのでしょう。それは宣戦したのと同じこと」

「想ってくれるのは嬉しいですが……」

「あのね、アイオネ。私も魔王なんだよ」