魔王さま100分の2


「はあ~」

アイオネは分かるようにため息。

ただし頭はがっくりさせても、抱えている小箱とレンガは少しも揺らさない。

「そんなに返りたいの?」
「そんなに返りたいです」

アイオネは、即答。

……私を置いて?

ここで、黒の魔王さまは、そんな可愛いことは訊かない。

「じゃあ、もっと頑張って返さないようにしよう」

純粋な欲望で、決意を新たにする。

「でも、さすがにこれだけ色々あると、私も王国から召還命令がおりるかもしれませんよ」

かも、じゃなくて絶対でる。
王国がまともな組織なら。

「召還されると、どうなるの?」

「おそらく、そのまま戻って来ません」