「はあ~」
アイオネは分かるようにため息。
ただし頭はがっくりさせても、抱えている小箱とレンガは少しも揺らさない。
「そんなに返りたいの?」
「そんなに返りたいです」
アイオネは、即答。
……私を置いて?
ここで、黒の魔王さまは、そんな可愛いことは訊かない。
「じゃあ、もっと頑張って返さないようにしよう」
純粋な欲望で、決意を新たにする。
「でも、さすがにこれだけ色々あると、私も王国から召還命令がおりるかもしれませんよ」
かも、じゃなくて絶対でる。
王国がまともな組織なら。
「召還されると、どうなるの?」
「おそらく、そのまま戻って来ません」


