魔王さま100分の2


「アイオネも手の皮が剥けた?」
「私ですか?私は剥けたことはありませんね」

「えええ、言ってることが違う」

「体質です。剣技のことで勇者の私を基準にしないでください」

「じゃあ、シスキスは?」

「……さあ、かなり振り込んでいるとは思いますが」

シルキスは、実戦と実戦以上に激しい鍛錬を積んでいる。

そうでないと、自分との戦力差が説明できない。

出戻ってきた理由も、向こうの魔王さまによれば、シルキスが本物の幽霊船と命がけの実戦を繰り広げた結果だ。

「そうよね。シルキスのあの黒い剣は普通じゃないものね。練習も相当してるよね」

「魔王さま、あの黒剣のこと……」

「うん、見てなんとなく分かったよ。私を殺すための剣だなって」