が、そこは魔王さまの細腕。
鉄の重さに耐えかね、棒先がどんどん下がる。
アイオネが適当な木箱にレンガを積み込む間に地面に着き、魔王さまは、その場で棒を引きずりまわして落書き遊びを始めた。
「アイオネ達のようには持てないなぁ」
「長剣を片手で支え続けるには、それなりの鍛錬が必要です」
答えるアイオネは、レンガをいっぱいに詰めた木箱を軽々抱えて持ち上げる。
「どれくらい練習すればいい?」
「そうですね。とりあえず手の平の皮が剥けるぐらいでしょうか?」
「痛いのはイヤ」
「そうですね。私もお勧めしません」
アイオネが歩き出す。
魔王さまも、棒を引きずってアイオネの横を歩く。


