魔王さま100分の2


「火かき棒ですね」
「火かき棒?」

魔王さまが掴んだのは、鉄の棒。

持ち手は熱に強い皮が巻かれており、先は耳かき状にくびれている。

「焚き火や暖炉の中に突っ込んで、火の通りを良くしたり、灰をかき出したりするものです」

「へー」

「武器ではありませんので振り回さないように」

「ぶー」

しようとしたところを止められて、魔王さまは唇を鳴らした。

「これもいる?」

「持っていって、無駄になることはないでしょう」

「持ってくね」

魔王さまは、アイオネやシルキスがしていたのを真似、鉄棒を腰溜めに構えて装備した。