「はりっきってますね」
「私の領地の庭にできるものだからね、はりきるよ」
黒の魔王さまは、小ジャンプまでする。
そう言われれば、何もなかった魔王さまの庭の初めての改修だ。
喜んでいる魔王さまを見ると、
塔の外には壁と門しかないのが当然で、手を加えるなど考えたこともなかった自分に落ち度を感じる。
「え?アイオネは最初に作ってくれたじゃない」
「何をです?」
「はしご」
黒の魔王さまは、振り返って塔の屋根を見る。
「そうでしたね……。でも、屋根の上も庭に入りますか?」
「入る入る」
黒の魔王さまは、振り返ったまま後ろ歩きになって断言する。


