魔王さま100分の2


「はりっきってますね」

「私の領地の庭にできるものだからね、はりきるよ」

黒の魔王さまは、小ジャンプまでする。

そう言われれば、何もなかった魔王さまの庭の初めての改修だ。

喜んでいる魔王さまを見ると、

塔の外には壁と門しかないのが当然で、手を加えるなど考えたこともなかった自分に落ち度を感じる。

「え?アイオネは最初に作ってくれたじゃない」

「何をです?」
「はしご」

黒の魔王さまは、振り返って塔の屋根を見る。

「そうでしたね……。でも、屋根の上も庭に入りますか?」

「入る入る」

黒の魔王さまは、振り返ったまま後ろ歩きになって断言する。