「50で足りるの?」
アイオネは鉄板を地面に降ろす。
ゆっくりと降ろしたのが、どすんっ、と地響き。
鉄板の自重で角が土にめり込んだ。
「んー、じゃあ、あるだけ」
「あるだけね」
アイオネは、魔王さま達が悪戯して挟まれないに鉄板を地面に平らに寝かし、レンガを取りに戻る。
こちらは行軍で鍛えた勇者。
手で持って運べるぐらいの荷物なら、一日何往復しても、するのは気疲れだけ。
だから、いきなり上空の見えない障壁をバリバリ言わせながら、家財満載のコンテナを送り付けられたときはあんぐりしたが、
それは、それ。
シルキスが心配しているほど、押しかけられたことを悪くは思っていない。


