魔王さま100分の2


「準備できたかー?」

魔王さま達も、門が閉まるのを見て駆けて来る。

領地の外の兵士達に無意味な挑発をせずに待っていてくれたのは、黒の魔王さまのおかげか?

「正確には、準備の準備が終ったところです」

シルキスは、軽めのレンガをひとつ金の魔王さまに手渡した。

魔王さまは、懐かしそうに渡されたレンガを見る。

「そうか」

「というわけでこれから準備ですが、手伝ってくれますか?」

「いいだろう、手伝ってやる」

はりきる金の魔王さま。

「私も手伝うよ」

黒の魔王さまも、長い黒髪を揺らして手を出す。

シルキスは、その手にやはり軽めのレンガをのせた。