「準備できたかー?」
魔王さま達も、門が閉まるのを見て駆けて来る。
領地の外の兵士達に無意味な挑発をせずに待っていてくれたのは、黒の魔王さまのおかげか?
「正確には、準備の準備が終ったところです」
シルキスは、軽めのレンガをひとつ金の魔王さまに手渡した。
魔王さまは、懐かしそうに渡されたレンガを見る。
「そうか」
「というわけでこれから準備ですが、手伝ってくれますか?」
「いいだろう、手伝ってやる」
はりきる金の魔王さま。
「私も手伝うよ」
黒の魔王さまも、長い黒髪を揺らして手を出す。
シルキスは、その手にやはり軽めのレンガをのせた。


