アイオネは、警備兵達には無反応でコンテナまで進む。
門からコンテナまで、アイオネの足でほんの数歩。
物怖じせずコンテナの戸を開き、奥まで入って要望の品を探る様は迷惑者に慣らされた者。
「受け取って、シルキス」
調理用の鉄板、鍋、やかん、焚き火用の薪やらレンガやらを投げてよこす様は、付き合う相手を選べない不幸な友人。
シルキスは、そんなアイオネを申し訳なく頼りに思いながら、投げつけられる物をほいほいと受け取って領内に積んでいく。
「次、串の束いくわよ」
ただ、尖ったほうを向けて高速で投げつけるのはやめて欲しかったが。


