アイオネは、門を開ける。
「ここから先は、私ひとりで」
なぜ?
とは、シルキスは訊かなかった。
目的のコンテナが門のすぐ外にあり、さらにそのコンテナを遠巻きにして、イアリミアの警備兵が居並んでいたから。
警備兵の全員が領地から顔を出したシルキス達を警戒姿勢で出迎える。
幸いと言っていいのか、救いなのは、兵士達の顔にあるのは敵意ではなく困惑だったこと。
魔王さま達が、どういうやり口で魔王領への出戻りを決行したのか……。
シルキスは、警備兵の様子からなんとなく察する。
世界の迷惑者。
自分達の存在に、自分で命名


