魔王さま100分の2


「助けるじゃなくて、さらうと言ったのだけど」

「あなたの頭の中では、助けるってことでしょ」

「そうだけど、そうじゃないと言うか、本当にそれしか手がないときの話で」

「その時は、王国そのものと争うことになるわね」

「そうだなあ。それは最悪の最悪だなあ」

会話しながらも、シルキスとアイオネは同じ速度で歩く。

「それだけは避けて、他の手を考えないと」

「考えるだけにして、実行に移さないことを強く勧めるわ」

「賛成。自分でもそう思う」

ここまで話して、門に着く。
魔王さま達は、塔のところで立ったままだ。