「助けるじゃなくて、さらうと言ったのだけど」
「あなたの頭の中では、助けるってことでしょ」
「そうだけど、そうじゃないと言うか、本当にそれしか手がないときの話で」
「その時は、王国そのものと争うことになるわね」
「そうだなあ。それは最悪の最悪だなあ」
会話しながらも、シルキスとアイオネは同じ速度で歩く。
「それだけは避けて、他の手を考えないと」
「考えるだけにして、実行に移さないことを強く勧めるわ」
「賛成。自分でもそう思う」
ここまで話して、門に着く。
魔王さま達は、塔のところで立ったままだ。


