イアリミアの都市圏は、
海に浮かんだ島々にも及ぶ。

島のひとつ。

他の島と異なり、
観光化も船の中継地化もされなかった島をアイオネが歩く。

小船をつけた砂浜から、
島の緑を割って中心まで通る道。

途中、自分が今日から7日間過ごす仮宿の前を過ぎると、すぐに見えるのは巨大な壁と両開きの鉄門。

アイオネが見上げると、壁の上の向こう、ハシゴのてっぺんに座った人影が小さく見える。

あちらにもアイオネが見えたらしい、
盛大に手を振って出迎えてくれた。

アイオネはダッシュ。
急いで門を蹴り開ける。