「いずれにしても、大陸中の魔王さまをこっそり空からさらうのは無理だと分かりました。収穫です」
シルキスは空から目を戻す。
強い陽光のもとで急速に視線を動かしても、くらみなし。
回復は完全だ。
「そんなこと考えてたの?」
「こいつは考えてるぞ」
同じ動作をした魔王さま達は、瞳をしぱしぱさせている。
「あくまで、そういう最終手段が必要になったときの話です」
シルキスは、陽がきついなら帽子を持ってきますよと魔王さま達をいたわる。
遠慮して、黒の魔王さま。
「それよりもアイオネを手伝ってあげて」
ひとり先に進むアイオネを追うように、シルキスに命じた。


