「外?」
シルキスは、上空を見上げる。
夏の青空。
「上空から領内に直接降ろすことは出来ませんでしたか?」
「ああ、そうするつもりだったが、壁の上には魔法の障壁が張られていて、通れなかった」
金の魔王さまも、また夏空を見る。
「コンテナを降ろそうとするたびに、幽霊船ショーで見た船の障壁みたいなやつが邪魔したのよね」
そして、黒の魔王さまも空観察に参加。
「そうですか。一度試してみたいとは思っていましたが、ちゃんと生きてるんですね。この魔王領」
「天井に穴が空くのにね」
「うちのはドアが壊れたぞ」


