「外のコンテナに残してある、野外用の調理セットを使用すればよろしいですねっ」
「おう、いいぞ。許す」
金の魔王さまは、アイオネの妨害に負けずシルキスに撫でさせたまま許可する。
シルキスは、魔王さまを撫でる手をとめずに首をひねる。
「野外用の調理セット?」
「前の領地で使っただろう、焚き火で肉や魚を焼くやつだ」
「ああっ」
シルキスは、大きく頷く。
「それはいいですね」
「いいだろう」
「早速準備にかかりますが、あなた達も手伝ってくださいねっ」
アイオネは、とうとう両手を直に使ってバカップルを引き剥がした。


