魔王さま100分の2


「どこ、どこ?」

保冷庫に踊ってとびついていくのは、黒の魔王さま。

どこと訊きつつ、端から勝手に開けて、氷菓子探しを開始する。

シルキスは、長身の魔王さまと見比べて、あらためて保冷倉の大きさを認識。

さっき身長大と見たが、かなりでか目の人間の身長大だ。

少なくとも、今、氷菓子を発見した黒の魔王さまよりも背が高い。

と、いうことは、アイオネよりも大きい。

それを3つ、アイオネはひとりで外からここまで運んできたわけだ。

たぶん荷がめいっぱい詰まった状態で。

自分より力のあるアイオネだから平気かな?

平気だったことにしよう。

これ以上、謝りきれないのでシルキスはそうする。

「あったよ、はーい」

氷菓子を手にした黒の魔王さまは、ちゃんと扉を閉めてから、跳ねて戻ってきた。

4人分。
ひとり、一個ずつ。

ちゃんと持って来て配り歩く。

「はい、どうぞ」