「どこ、どこ?」
保冷庫に踊ってとびついていくのは、黒の魔王さま。
どこと訊きつつ、端から勝手に開けて、氷菓子探しを開始する。
シルキスは、長身の魔王さまと見比べて、あらためて保冷倉の大きさを認識。
さっき身長大と見たが、かなりでか目の人間の身長大だ。
少なくとも、今、氷菓子を発見した黒の魔王さまよりも背が高い。
と、いうことは、アイオネよりも大きい。
それを3つ、アイオネはひとりで外からここまで運んできたわけだ。
たぶん荷がめいっぱい詰まった状態で。
自分より力のあるアイオネだから平気かな?
平気だったことにしよう。
これ以上、謝りきれないのでシルキスはそうする。
「あったよ、はーい」
氷菓子を手にした黒の魔王さまは、ちゃんと扉を閉めてから、跳ねて戻ってきた。
4人分。
ひとり、一個ずつ。
ちゃんと持って来て配り歩く。
「はい、どうぞ」


