休みをもらったシルキスが最初にしたことは、入浴。
寝ている間は、誰かが丁寧に身体を拭いていてくれたようなので、それほどでもなかったが汚れを落とす。
「拭いたのは私だぞ」
湯につかっている隣で言ったのは魔王さま。
「その前にシルキスの身体から破片を抜いてやったのも私だ」
お風呂なので、魔王さまも裸。
「服を変えてやったのも私だし、添い寝してやったのも、暇つぶしのキスをしてやったのも私だ」
感謝しろと、生涯初めての湯浸かり体験中のシルキスをシャチで叩いてくる。
「ありがとうございます」
「うむ、うむ」
「それと、他所の風呂で見ても小さいですね、魔王さま」
「小さくて悪いかっ」
魔王さまの水中キック。
そろいの指輪をつけている身なので、裸でも慣れたやりとり。
「悪くはないです。むしろ可愛いですよ」
「あっちの私よりもか?」
「比べさせるのですか?」
「大事なことだ、はっきりさせろ」