ではなぜ、 穴を塞ぐのにドアを使ったのか? 塞ぐなら板でよかったのでは? それは、穴の空いた天井を見上げる魔王さが本当に楽しそうだったから。 「このまま空が見え続けるのもいいねえ」 そう、言っていたから。 この塔の扉は、 勇者である自分にしか開閉できない。 この塔には、 窓がひとつもない。 この塔は、 扉を閉めると外の風も音も一切通さない。 その塔に、 ふいにできた天窓。 魔王さまが喜ぶ顔を見ていたら、 完全に塞ぎなおすことが出来なくなってしまった。