「他人の塔を勝手に進むなっ」
勇者の足で階段をとばし降りるアイオネ。
シルキスを牽制しつつ、常にリードを保って先を急ぐ。
そのすぐ後ろをついていくシルキス。
おかげで、あっという間に寝室前についた。
ドア前のポジションを確保してアイオネ。
「たくっ、今呼んであげるからおとなしくしてなさいっ」
がるるっとシルキスに怒ってみせ、それでも意地悪せずに、ドアを叩いて中の魔王さま達を呼ぶ。
「魔王さま、起きてください。シルキスのアホが目を覚ました」
「おおっ」
聞こえたのは、シルキスの魔王さまの声。
ベッドから飛び降りる音がして、内からドアが強く開く。


