魔王さま100分の2


「他人の塔を勝手に進むなっ」

勇者の足で階段をとばし降りるアイオネ。

シルキスを牽制しつつ、常にリードを保って先を急ぐ。

そのすぐ後ろをついていくシルキス。
おかげで、あっという間に寝室前についた。

ドア前のポジションを確保してアイオネ。

「たくっ、今呼んであげるからおとなしくしてなさいっ」

がるるっとシルキスに怒ってみせ、それでも意地悪せずに、ドアを叩いて中の魔王さま達を呼ぶ。

「魔王さま、起きてください。シルキスのアホが目を覚ました」

「おおっ」

聞こえたのは、シルキスの魔王さまの声。

ベッドから飛び降りる音がして、内からドアが強く開く。