魔王さま100分の2


あと、

血まみれだった服が新しいものに替えられ、身体の汚れも拭き取られているのだが、

誰がしてくれたのか、アイオネに訊くのはとても怖いので、魔王さまに会ってから訊ねることにする。

自然に速くなるシルキスの足。

「私より先にいかないでよ」

アイオネは、シルキスより足を速めて前にでる。

寝室は、女の聖域。

外から来た男を先に入れるのはもちろん、勝手にドアを叩くことも許さない。

そういう感じ。

アイオネは、いいとこ生まれのお嬢様。

シルキスは、あらためてアイオネについてのデータを思い出す。

「すまない。こちらも早く魔王さまの顔が見たい」

9割5分ぐらい本当のことを言って、シルキスはさらにペースアップ。