あと、
血まみれだった服が新しいものに替えられ、身体の汚れも拭き取られているのだが、
誰がしてくれたのか、アイオネに訊くのはとても怖いので、魔王さまに会ってから訊ねることにする。
自然に速くなるシルキスの足。
「私より先にいかないでよ」
アイオネは、シルキスより足を速めて前にでる。
寝室は、女の聖域。
外から来た男を先に入れるのはもちろん、勝手にドアを叩くことも許さない。
そういう感じ。
アイオネは、いいとこ生まれのお嬢様。
シルキスは、あらためてアイオネについてのデータを思い出す。
「すまない。こちらも早く魔王さまの顔が見たい」
9割5分ぐらい本当のことを言って、シルキスはさらにペースアップ。


