魔王さま100分の2


「それは、ますます迷惑をかけた」
「別に。でもこれだけ言っておくわ」

アイオネは、階段を降りながらシルキスを睨めつける。

「あんたが寝ていた布団、あれ、私の」
「……それはすまなかった。本当に」

「最初は、魔王さまが自分のベッドに寝かすって言ったのよ。そんなこと許せるわけないから、仮宿から私のを運んできたの」

「あー、こっちの予算で買い換えるよ」

「そこまで気は細かくないわ。でも、覚えといてよね」

アイオネは、ぷいっと前をむく。

雰囲気からして、自分のシーツを男に汚されたのは初めてらしい。

口に出してはとても確かめられないので、

シーツだけでも新しいのを渡そう、シルキスは心の買い物帳につけておく。