気がついたシルキスは、言った。

「えっと、なぜ僕はここに?」

気がついたシルキスのすぐ傍にいたアイオネは、言った。

「そうね。そして、なぜ私がシルキスの看病をさせられているのか教えて欲しいわ」

「魔王さまは?」
「どっちの?」

「僕の」
「私のと一緒に下の階で寝てる」

「そうか」

シルキスは、寝かされていた布団から身を起こす。

まだ寝ていないとだめよ的な、イベントは起きなかった。

布団の下は石の床。
そこから繋がる壁も石、天井も石。

大穴がひとつ空いていて、外からドアで塞いである。

ここは、イアリミアの魔王さまの塔。
一階。