「おそらく、答えはあの雨雲です」
「分からんっ。もっと分かりやすく説明しろ」
魔王さまは、やり直しを要求。
「そうですねえ」
シルキスは、言葉を足す。
「さっきの津波はこのサーペントの魔力で起こしたものですが、」
「うむ、戻ったら名前をつけるぞ」
「あの雨雲や暴風は、それと同様に幽霊船の魔力で生み出し纏っていると思われます」
「うむうむ、人間の普通の船など近づいただけでバラバラだな」
「大体の勘ですが、その力は海を制する同質のもので、レベルは同じか向こうが上」
「ああ、だから海水をぶつけても防がれるのか」
ぽんと、手を打つ魔王さま。
「そうです」
「なんだ簡単な理屈ではないか。分かりやす過ぎるぞ」
言いながら、分かったことが嬉しい魔王さま。
左右の尖った歯を全見せする笑顔。


