魔王さま100分の2


「おそらく、答えはあの雨雲です」
「分からんっ。もっと分かりやすく説明しろ」

魔王さまは、やり直しを要求。

「そうですねえ」

シルキスは、言葉を足す。

「さっきの津波はこのサーペントの魔力で起こしたものですが、」

「うむ、戻ったら名前をつけるぞ」

「あの雨雲や暴風は、それと同様に幽霊船の魔力で生み出し纏っていると思われます」

「うむうむ、人間の普通の船など近づいただけでバラバラだな」

「大体の勘ですが、その力は海を制する同質のもので、レベルは同じか向こうが上」

「ああ、だから海水をぶつけても防がれるのか」

ぽんと、手を打つ魔王さま。

「そうです」

「なんだ簡単な理屈ではないか。分かりやす過ぎるぞ」

言いながら、分かったことが嬉しい魔王さま。

左右の尖った歯を全見せする笑顔。