魔王さま100分の2


「あと、破片の先が飛び出ているので怪我をするかもしれません」

「船に戻ったら、私が全部抜いてやる」
「優しくしてくださいね」

「凄く痛くしてやるから覚悟しておけ」

抱っこを諦める魔王さま。

それから、ヘナのことを思い出して守る。

「ヘナのことは本当に怒るなよ、本当にだぞ」

「はい、どうせ魔王さまが先に行くと言い出したのでしょう?」

「む、そうだったら悪いか」
「……決めたのは魔王さまではなく、私で」

ヘナが言いかけると、魔王さまは幽霊船に気が戻る。

「それと、どうして幽霊船は沈まないのだ?すっごい大波だったぞ」

両手を伸ばし背伸びまでして、全身で大波のスケールを表現。

忙しい。