横から、シルキスの顔にパンチしてヘナを守る魔王さま。
シルキスは、魔王さまの手が微妙に届かないところまで頭を戻す。
魔王さまは、小ジャンプを繰り返して逃げたシルキスの顔を追う。
「こいつめっ、こいつめっ」
「ヘナを怒ったりしませんから、安心してください。あと、僕の血で滑って転ばないように注意してくださいね」
シルキスは、魔王さまの足元に出来つつある血溜まりに気を配りながら、魔王さまのパンチを皮一枚でかわす。
「当然だ。あと、私が転んだらそれもシルキスのせいだ。さらに怒るぞ」
魔王さまは、膝の角度をいろいろ試してジャンプ力アップを狙う。
だが、高く跳べば跳んだだけシルキスは顔を下げるので、パンチは頬をくすぐるようにしか当たらない。


