「今の内だーっ、こっちに来ーい!!」
魔王さまは、小さな身体についた両手を千切れそうなほど振り返し、
同じく、小さな足でぴょんぴょん飛んで必死にシルキス達を呼ぶ。
賢い天馬は、魔王さまの呼び声に応え、騎手の操作を受けなくても自分でサーペントの頭に降りた。
「よしよし、よく頑張ったな偉いぞ。おまえは最高の天馬だ。後で私が直々に名前をつけてやろう」
天馬を褒め称える魔王さま。
「それよりも幽霊船ですっ」
シルキスは、キーヤを抱えて下馬。
キーヤが残った力で、
自分でシルキスから離れると、
感謝の言葉を待っている魔王さまの横を通りすぎ、後方を見る。


