「半分殺せたっ、残った半分とも差が開いたぞっ」
シルキスは、キーヤに報告する。
キーヤは、返事を返さない。
全身から汗を噴出し、閉じそうになる目蓋を懸命に押し上げて、死力を尽くしている。
炎から離れた代わりに、キーヤの目にみるみる迫ってくるのは海。
見つけろ、見つけろ、見つけろ。
キーヤは、焼き切れそうな頭で気流の切れ目を探る。
必ず海面付近で暴れる波風とぶつかり、綻ぶ地点があるはず。
見つけろ、見つけろ、見つけっ。
眼球ではなく、
言葉では表せない部分、
視界のずっと先、
キーヤは、高波の先が乱気流で千切られ持ち上げられる様子を視た。
見つけたっ。


