魔王さまは、降り注ぐ砲弾の雨を必死にかわして逃げまわるシルキス達を指差す。
魔王さまの言っていることは、大げさではなく、誰が見てもそう思う非常事態。
が、その非常事態が起こると予想していたからこそ、シルキスは魔王さまをここに置いていった。
「シルキスが、シルキスが、うううっ、助けるぞっ」
動けない魔王さまの涙声。
「私は、魔王だぞっ、王様だぞっ、言うことを聞かないと怒るぞっ、本当に怒るぞっ」
サーペントは、どうしていいのか分からずに鳴く。
「きゅー」
ヘナは、魔王さまから手を離さずに言った。
「……助けないとは言ってません」


