魔王さま100分の2



サーペント上の魔王さまにも、豹変した幽霊船がシルキス達に攻撃し始めたのは見えた。

「前進!、シルキス達を助けるぞ!」

双眼鏡を手に命令する魔王さま。
すぐさま、ヘナがフードの下から声を出した。

「……却下です。以下、魔王さまではなく私の指示で動いてください」

「なにっ!」

「シルキスさまから事前に頂いていたご指示です」

「いつだっ!」

ヘナは、ローブの袖から一枚のメモ紙を魔王さまに渡した。

書かれていたのは、シルキスの手書き文字で一行。

『緊急時には、ヘナの言うことを聞いてくださいね』

さらっと。

魔王さまが見ていない僅かな隙の間に書いたと分かる文字。