サーペント上の魔王さまにも、豹変した幽霊船がシルキス達に攻撃し始めたのは見えた。
「前進!、シルキス達を助けるぞ!」
双眼鏡を手に命令する魔王さま。
すぐさま、ヘナがフードの下から声を出した。
「……却下です。以下、魔王さまではなく私の指示で動いてください」
「なにっ!」
「シルキスさまから事前に頂いていたご指示です」
「いつだっ!」
ヘナは、ローブの袖から一枚のメモ紙を魔王さまに渡した。
書かれていたのは、シルキスの手書き文字で一行。
『緊急時には、ヘナの言うことを聞いてくださいね』
さらっと。
魔王さまが見ていない僅かな隙の間に書いたと分かる文字。


