「それよりも馬はっ?」
「無事だ」
もちろん、飛んでいる最中に天馬の傷を診られるわけではないが、傷をひとつでも負えばすぐに足並みが乱れる。
シルキスの右腕がどこまでカバーしてくれたのかは分からないが、天馬の無傷は多分に運も味方してくれた。
キーヤは降下体制をL字に切り替えして、海と空の中間を水平に飛ぶ。
いくら幽霊船が速いといっても所詮は船。
天馬の速力とは比べ物にならない。
比べ物にならないのに、
ここまで逃がしてくれないのは、
弾幕と暴風のせいでそうそう真っ直ぐ飛ばしてくれないからだ。
よって一斉砲撃をかましてくれた分、次弾の装填までの間が直線で飛ぶチャンス。
「後ろは見ていてやる、今のうちに引き離せ」
「おうよっ」
すっかり阿吽の呼吸。
シルキスが後方、雨雲を引き連れて追って来る幽霊船を見張り、次の砲撃の予兆を探り、
キーヤが全力で暴風を切り裂く。


