魔王さま100分の2


「それよりも馬はっ?」
「無事だ」

もちろん、飛んでいる最中に天馬の傷を診られるわけではないが、傷をひとつでも負えばすぐに足並みが乱れる。

シルキスの右腕がどこまでカバーしてくれたのかは分からないが、天馬の無傷は多分に運も味方してくれた。

キーヤは降下体制をL字に切り替えして、海と空の中間を水平に飛ぶ。

いくら幽霊船が速いといっても所詮は船。

天馬の速力とは比べ物にならない。

比べ物にならないのに、
ここまで逃がしてくれないのは、

弾幕と暴風のせいでそうそう真っ直ぐ飛ばしてくれないからだ。

よって一斉砲撃をかましてくれた分、次弾の装填までの間が直線で飛ぶチャンス。

「後ろは見ていてやる、今のうちに引き離せ」

「おうよっ」

すっかり阿吽の呼吸。

シルキスが後方、雨雲を引き連れて追って来る幽霊船を見張り、次の砲撃の予兆を探り、

キーヤが全力で暴風を切り裂く。