魔王さま100分の2


シルキスの視点で見ると、幽霊船の動きを読みきったキーヤの神業。

壁にした波に砲撃を集中させ、一瞬できた網の綻びを貫いて上空にでた。

しかも暴風に揉まれての上昇。

強固な風の守りと暴風の流れの把握が完全に出来ていなければ、間違いなく爆発に飲まれていた。

「おまえ、凄いなっ」

シルキスは感嘆の言葉を贈る。

「おまえこそ、手を離すなと言ったろっ!!」

キーヤは、ちらっと鮮血を流すシルキスの左腕を見る。

手の甲から肘にかけて、深く刺さった砲弾の破片が見えるだけで3つ。

海面すれすれから上に切り返して逃げる瞬間、

キーヤの腰を掴んでいたシルキスの腕が片方揺るんだかと思うと、

片腕でどういう動きをして可能にしたのか、

風の守りでは止めきれなかった弾の破片を素手で受けとめ、

また次の瞬間、血にまみれた腕をキーヤの腰に戻していた。