シルキスの視点で見ると、幽霊船の動きを読みきったキーヤの神業。
壁にした波に砲撃を集中させ、一瞬できた網の綻びを貫いて上空にでた。
しかも暴風に揉まれての上昇。
強固な風の守りと暴風の流れの把握が完全に出来ていなければ、間違いなく爆発に飲まれていた。
「おまえ、凄いなっ」
シルキスは感嘆の言葉を贈る。
「おまえこそ、手を離すなと言ったろっ!!」
キーヤは、ちらっと鮮血を流すシルキスの左腕を見る。
手の甲から肘にかけて、深く刺さった砲弾の破片が見えるだけで3つ。
海面すれすれから上に切り返して逃げる瞬間、
キーヤの腰を掴んでいたシルキスの腕が片方揺るんだかと思うと、
片腕でどういう動きをして可能にしたのか、
風の守りでは止めきれなかった弾の破片を素手で受けとめ、
また次の瞬間、血にまみれた腕をキーヤの腰に戻していた。


